九六位山日記(ゆきのさきこ)

私のマンションのベランダから見える山は、九六位(くろくい)山です。雨はいつもこの山を越えてきます。

2019-01-01から1年間の記事一覧

先輩老人たち

先輩老人たち 「年金破綻」「孤独死」「下流老人」など不吉な言葉が飛び交うこの国では、歳をとることが悪いことのように聞こえはしないか。だから探した。私の周りで、世間の役に立ち、みんなに勇気を与えている先輩老人はいないか。 まず、歌声教室のS先生…

老人3人夏山で

老人3人夏山で お盆過ぎの日曜日の朝七時、大分駅前に集合する。今日は佐賀関半島の城山、白木山、高城山、樅の木山の四山を尾根伝いに縦走するのだ。同行は私と70歳代のM氏と80歳前後のI氏の三名。 廃校となった佐賀関高校の近くに車を停め、マムシ避け…

我が家を広げる

我家を広げる 「方丈記」のように山中でひっそりと暮らすのが私の願い。不動産屋の友人に「川のせせらぎが聞こえる、森に中の小さな一軒家があったら」と探してもらっている。 私は今、週二回エアロビクスのレッスンに、大分スポーツ公園まで歩いて通ってい…

一週間は7日間

一週間は7日間 一週間は、7日間を単位とする世界の取り決め。勤めを辞めたら新しい時間の単位で暮らせるかと思ったが、やはり一週間単位だ。 月曜日は、エアロビクス教室。大きな鏡の前で頭から指先まで点検する。前日の登山の疲れをほぐすのにも都合が良…

マリちゃんへ

年賀状の時期になると、短大の寮で、いつも石川啄木の「初恋」を大声で歌っていた真理ちゃんを思い出す。彼女は演劇部に所属し、アルトで太い声を持っていた。その声を生かしてか、背が低かったからか、芝居では少年の役が多く、得意そうに良くこなしていた…

貧しいおばあさんは清々しい

貧しいおばあさん 最近、4歳と2歳の孫に受けているのが「むかし、むかし、明野団地に二人の子供がいました」で始まる、兄のレイチ君と妹のふーみんが登場する、我が家オリジナルの昔話である。これに近所に住む貧しいおばあさんが1人加わる。このおばあさん…

ニューヨーク7日間

ニューヨーク9・11メモリアルパーク、ワールドトレードセンタービルの跡地に、ノースプールとサウスプールという2つの滝の形をした記念碑がある。黒い正方形のプールの四方の壁から、水が細かく激しく溢れ出し、真ん中にある小さな正方形の穴に向かって…

大分百山完登

大分県は森林が約71%を占める”山の国”である。大分自動車道を福岡方面から日田に入ると左右に連なる山々、釈迦岳など津江日田山群だ。さらに走ると車窓に湧蓋山、由布山、時にはくじゅう連山や祖母・傾山などが遠望できる。 JR日豊本線で県内を南下すれば…