九六位山日記(ゆきのさきこ)

私のマンションのベランダから見える山は、九六位(くろくい)山です。雨はいつもこの山を越えてきます。

2018-04-01から1ヶ月間の記事一覧

働く=いのちき

働く=いのちき(2016.9) 昭和38年、中学校の同級生の何人かは集団就職で名古屋に行った。臼杵駅で先生と一緒に見送った。私は羨ましくも寂しくもなかった。その頃の農村はまだ貧しく自分で自分の道を選べる子供はほとんどいなかったと思う。臼杵川の土手…

老年時代を行く

老年時代を行く (2016.8) エアロビクスのレッスンの後で、床に座って余韻に浸っていたら、若い人が「気分でも悪いのですか」と覗き込む。テニスの帰りにラケットを持ってコンビニに寄ったら、店員が「エーッ、まだコートで走れるんですか」と声をあげる。…

冬の贈り物

冬の贈り物 (2018.3) セーターはカシミヤに限る。冬になると引き出しから何枚か出しておく。首に柔らかく、暖かいし、軽くて肩も凝らない。 二十代の頃、いつも良いものを着ている友人がいた。彼女がいるだけでまわりまでおしゃれに見えた。彼女は、子供の…

私のシュウカツ

七十の坂をどう登って行くか(私の終活) (2018.4) 私は、今年七十歳になる。登山でいえば七、八合目である。最後の急登にさしかかり、下界を見下ろすようになる。軽い達成感が心地よく、水分を補給しリュックを担ぎ直して頂上に向かう。 では私は、自分の…