九六位山日記(ゆきのさきこ)

私のマンションのベランダから見える山は、九六位(くろくい)山です。雨はいつもこの山を越えてきます。

2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧

さきちゃんの家出

私のひたいの真ん中に大きなホクロがある。いつか街で占いの人から「お釈迦様と同じところにホクロがありますね」と呼び止められたことがある。「お釈迦様は、家族を捨て国を捨て、放浪の生涯を送った人。男性ならそれで良いが、あなたは女性、大地に根を張…

残念なおじさん

残念なおじさん 男女雇用均等法ができてから30年が経つ。この法律は男女の生き方を少しずつ変えてきた。どの職場でも前面に立って働く女性を見かけるようになった。さらに育児・介護休業法で”イクメン”も増え、家庭の様子も変わってきた。結婚した私の息子…

さきちゃんの手

さきちゃんの手 久しぶりに私を「さきちゃん」と呼んでくれる人ができた。二歳の孫である。母方のおばちゃんもいるので、私は名前で呼んでもらうことにした。 私が身内だとわかるのだろうか「さきちゃん」「さきちゃん」と手を出して来る。顔は家族の誰彼に…

ヒマラヤ・ゴーキョピークに登る

ヒマラヤ・ゴーキョピークに登る 「エベレスト街道を歩きたい。」そう願うようになったのは、作家井上靖氏の「わが一期一会、ヒマラヤ山地にて」を読んでからである。昭和四十六年に氏がヒマラヤ・トレッキングに参加した際の少年シェルパ・ビンジョとの交流…

カフェで朝食

ゴミ出しの朝は、せっかく服を着替えたのだからと近所のカフェに行く。 若いご夫婦が2年前に開店し、朝7時半から、焼きたてパンの朝食を出す。私のお気に入りは、チーズオムレツとマッシュポテト、ロールパン2個そしてコーヒーのセット、500円。コーヒ…

電車の中で本をもらった

「良かったら、この本をもらってください」と、電車の中で、隣の席の男性が 紀伊国屋のカバーのかかった文庫本をくれた。 私は、夕方からの仕事で大分駅から亀川まで行く途中で、持参した本を読んでいた。宗教の勧誘かしらと思ったが、断る理由がとっさに出…